本記事では『MONSTERS 一百三情飛龍侍極(いっぴゃくさんじょうひりゅうじごく)』をご紹介します。
「ONE PIECE」の原作者:尾田栄一郎氏が、1994年に発表した漫画「MONSTERS」を初のアニメ化。「週刊少年ジャンプ」の増刊である「週刊少年ジャンプ特別編集増刊1994年Autumn Special」号にて短編読切として掲載。1998年11月4日発売のジャンプコミックス『WANTED! 尾田栄一郎短編集』所収。
原作は何度も読みましたが、最後の抜刀シーンの爽快感が病みつきになる作品です。アニメーションでどのように表現されるの楽しみにしつつ、早速鑑賞しました!
作品情報
本作は現在、Amazon prime Video、Netflixにて鑑賞ができます。
あらすじ
平和な時代に唯一つ、緩やかな時の流れを搔き乱す〝恐怖〟が天空を舞っていた。
その土地の絶対の壊滅をも意味するという〝恐怖〟。それは竜の出現だった――。
若き19歳の尾田栄一郎が『ONE PIECE』連載前に描きおろした伝説の短編、
侍・リューマの剣戟活劇譚初のアニメ化!!
予告編
ボイスドラマ
monstersは、ONE PIECE原作100巻到達を記念して2021年にボイスドラマ化もしています。
キャラクター解説
キャラクター | 名前(演者)、役柄 | 演者過去作 |
リューマ(細谷佳正) 主人公。侍としての矜持を持った文無し剣士。世界一の剣士であるキングともいずれ戦ってみたい | ||
フレア(花澤香菜) 7年前、竜に滅ぼされた町の生き残り。シラノに助けられた | ||
シラノ(東地宏樹) 7年前に竜の大奇襲にて竜と戦った。失われた竜の角笛を探す一流剣士 | ||
ディーアール(真殿光昭) 町をうろつく三流剣士 | ||
竜/ドラゴン(中井和哉) 恐怖の象徴。一匹で街を滅ぼすほどの力を持つ。竜の角笛があれば、竜を操れるとされている。 | 『ONE PIECE』ロロノア・ゾロ役 |
感想(ネタバレなし)
感想(以下、ネタバレあり)
ラストの原作からの追加パートに、思わずうおっ!っと唸ってしまいました。
物語自体に捻りはなく、良い人だと思っていたシラノが実は竜を呼び寄せ破壊に加担した張本人だった。その真実に打ちひしがれるフレア。恩人であるフレアを悲しませ、悪行の限りを尽くすシラノたちをリューマが一刀のもと滅する。
という王道ストーリーです。原作からも大きな改変もラストの追加カット以外はなかったように思います。
町を去るリューマの背中が、スリラーバーグのリューマゾンビへと変わり、ゾロとの戦い、その終結の瞬間となります。
ここで本作とゾロ=ONE PIECEとの繋がりを明確に出しつつ、リューマの株をさらに引き上げる粋な演出。原作既読勢も視聴後に唸ること間違いなしです。
そしてONE PIECEに繋がる物語
本作とONE PIECEは原作者が同じ、尾田栄一郎先生ということで時間軸こそ異なるものの同じ世界での出来事ということで、作品同士の繋がりがあります。
本作の主人公リューマは歴史に名を残す大剣豪だったわけですが、ONE PIECEの剣豪といえば、三刀流のロロノア・ゾロですね。
ゾロが使う刀こそ、かつてリューマが使っていた「黒刀・乱刃・大逆丁字」の『秋水』、大業物21工の一振りに数えられる名刀なのです。
ゾロと秋水の出会いはスリラーバーグ編(原作46巻〜50巻)です。
ここでゾロは、かつての大剣豪リューマの亡骸(ゾンビ)と戦い、勝利とともに秋水を手に入れます。本作でのラストカットがそれです。
さらにリューマはワノ国の生まれですが、ゾロも先祖を辿るとワノ国に縁があることが原作で明かされています。
知らなくとも良作をそれぞれ楽しめますが、その繋がりを知るとより楽しめるというイースターエッグ的な遊び心ですね。
一百三情飛龍侍極の意味って?
現在、公式には発表はされていません。
とはいえ、『一百三情飛竜侍極』といえば、ONE PIECEのワノ国編でゾロが、四皇カイドウ一味のNo.2であるキングを倒した際に使った技名です。
本作主人公のリューマも、実はリューマ・ド・キングと呼ばれていることがラストに発覚しますが、キング繋がりなのかもしれないですね。